[プー・ルイ コメント]

どうも、プー・ルイです!

この度、プープーランドの新グループオーディションを開催することとなりました!

いつかまたあの場所へと歌って早10年。

全然届かなくってくじけそうにもなるけど、、、そんなこと言ってらんない!やったるぞ!

武道館、横浜アリーナへ一緒に行きましょう!!

こんな人がいいなぁっていうのは特になくてフィーリング重視です。

キラキラアイドル全盛のこの時代にプープーランドのオーディションを選んで受けてくれるような“変わり者”はみんな大歓迎!

どんな人でもお待ちしてます🧌❤️‍🔥

かっこつけてない、ありのままのあなたを見せてほしいです!

熱い気持ちと、やる気だけもって応募してください!

プープーランドで一緒にアイドルやろーぜー!!!

たくさんのご応募お待ちしてます。


【応募資格】

・15~29歳までの女性
・経験不問
・特定のレコード会社 / プロダクションと契約のない方

※現在レコード会社、プロダクションに所属している方は9月30日までに事務所等契約解除通知が証明できる方。

※アイドルバー、メイドバー、メイド喫茶等で働いている方は仕事先の許可を取ってからご応募くださいますようお願い致します。

※未成年者の方は保護者の同意が必要です。審査の段階で確認を致しますのであらかじめご了承下さい。

<メール応募締切>
2025年9月30日23:59

2次審査の面接は、10月に東京都内にて予定しております。


【応募方法】

[メール応募] pourpourland.audition2025@gmail.com まで

📩 件名に[プープーランド新グループオーディション応募]と記入。

本文に

・名前

・年齢

・身長/体重

・住所

・緊急連絡先(電話番号)

・現在の職業

・過去にアイドル/タレント活動の経験のある方は経歴

・SNSアカウントのURL

・意気込み

を明記の上、

・写真2枚 (全身・顔正面アップ各1枚=3ヶ月以内に撮影したもの、アプリなどで加工していないもの)

を添付してお送りください。


【審査の流れ】

<1次審査> 書類(メール)審査

※合格者には順次こちらから連絡致します。合格者にのみご連絡致します。

<2次審査> 10月東京都内にて対面での面接審査
<3次審査> 東京都内にて実技審査等
<最終審査>

を予定しております。


【合格後】

株式会社プープーランドに所属し、プー・ルイもメンバーとして在籍する新グループのメンバーとして活動をスタート致します。2026年3月頃デビュー予定となります。


【注意事項】

・オーディション選考の様子を撮影し、YouTube等で公開させていただく可能性がございます。ご了承ください。

・審査内容について口外及びSNSへの投稿することを禁止とさせて頂きます。

・面接会場までの交通費 / 宿泊費等は各自ご負担ください。


【お問い合わせ先】

pourpourland@gmail.com

※合否に関するお問い合わせには応じられません。

新グループメンバーオーディションを開催中のプー・ルイ。今回は大森靖子、古正寺恵巳を招いて、鼎談を実施!

<プー・ルイ新オーディション詳細はこちらから> ※応募締切は2025年9月30日23:59

インタビュー/文:南波一海

撮影:METTY


――今年の6月に『WACK in the U.K. Vol.6』で共演した3人での鼎談になります。新グループを始めるにあたって、相談などしたりしたのでしょうか。

プー・ルイ(以下、プー):ロンドンに行く前、3人で歌う「primal.」の練習のときに現状や今後のことをどうすべきか話したりしてました。大森さんと会うことになったときに、話を聞けばいいんだと思ったんですよね。経験豊富なので。

大森靖子(以下、大森):ロンドンでWACKのイベントをやることになって、渡辺(淳之介)さんがZOCXとMAPAを誘ってくれたんです。それで、「primal.」やってよ、と渡辺さんから言ってくれたんですね。せっかくプー・ルイと古正寺と大森さんが集まるんだからって。ふたりはそれに応えようとして、その1曲のためにリハを3日くらい入れようとしたんです。いまだから言えるけど、私は絶対に3日もやりたくなくて(笑)。

古正寺恵巳(以下、古正寺):いやいや、やりたくないのが出てましたよ。

プー:出てた出てた。

古正寺:「こんなにいるかな? 1回やってみてから決めよう?」みたいな(笑) 。バレてないみたいに言ってますけど、バレてます!

大森:1曲のために3日もかけるなんて聞いたことないから、嘘でしょと思って(笑)。

プー:結局、2日で収めました。

大森:これがBiSかと思いました。

プー:いや、当時のBiSだったら考えられないよね?

古正寺:当時はね。でも、去年の歌舞伎町のライブ(昨年7月に開催された一夜限りの再結成ライブ『You've been cheated』)は1ヶ月くらい練習したよ。

プー:めっちゃやったね。3年半分のBiSの練習量を越えました。

――昔はどれだけ練習してなかったんだという(笑)。ともかく、6月の渡英前に二度のリハがあったと。

大森:そのときにいろいろ話したんです。2日もあるなら、練習よりもプー・ルイのこれからの人生をどうにかするという時間に使いたいなと思って(笑)。

プー:すごく覚えてます。大森さんに真っ直ぐ目を見て「誰も信用しちゃダメだよ」って言われた(笑)。

古正寺:そんなこと言ったんですか。自分こそ信用するタイプなのに(笑)。

大森:信用しちゃうからこそ何度も痛い目を見てきた(笑)。あの時期のライブアイドルでいまも残ってる人って、根がいいやつしかいないじゃないですか。素直すぎて、それで痛い目に遭っちゃうから、信用しちゃダメだよって。

――自分のことはわからないけれど、人には冷静にアドバイスできるものですよね(笑)。

大森:そうそう!

プー:大森さんは絶対に信用してますよね。だって、何回もいろいろあったのに、何回も続けてるから(笑)。私はそう言われて親近感が湧いたんですよ。じつはあまり喋ったことがなかったので、もっと尖ってると思ってたんです。

大森:いつのイメージで止まってるの(笑)。

プー:でも、話してみたら共感することばかりで。だから今日は、ご報告も兼ねてお話がしたかったんですよ。相談はしてたけど、PIGGSを辞めて、もう一度グループをやることに決めました、ということを直接は伝えられていなかったので。ただ、改めてイチからやることになったんだけど、オーディションの応募がさほど来てないという……。

大森:一緒にやる? TOKYO PINKのを見に来ていいよ。

プー:いいんですか! いまってオーデイションやってるんですか?

大森:近々やろうと思ってるよ。すごくいいんだけどうちには合わないかなって子に声かけてよ。

プー:横の繋がりがないので、そんなやりかたがあるなんて思わなかった! もちろん今回の応募で来てくれた人から選ぶのが大前提だけど、可能性は少しでも広げておきたいんですよね。年齢を考えると、私にとってほんとうに最後のグループになるので……って何度も言ってるけど(笑)。

大森:もう年齢とかいいよ。どうせ何度でもやるんだよ。

プー:こわいこわい(笑)。常に最後だって思ってやってきたけど、本当に最後にしたいんですよ。

大森:わかるよ。最後だと思ってやることは大事だしね。

プー:だから、絶対にこの子とやるぞ、と思えるメンバーを選びたいんですよね。それで今回はグループを始めるうえでふたりと話したかったんです。気をつけないといけないこととか。

古正寺:プー・ルイが一番知ってる人なのに(笑)。

大森:あと、自分がグループとして成功しているかと言われると……という話もある(笑)。目的がなにかだよね。

プー:そこは単純明快で、武道館、横浜アリーナに立つということしか見てないんです。それを成し遂げられるグループを作りたい。ZOCの以前のオーディションの動画を見たら、3000人も応募が来てたので驚いたんです。多ければいい多いほどいいということでもないけど、やっぱり見れる人数が多いと選択肢も違うじゃないですか。でも、大森さんの曲を歌いたいのに、うちが手を挙げたとしても興味持ってくれますかね?

大森:うちに適してる子とそうじゃない子はいるし、アイドルになりたいというだけの子も来るかもしれないから、プー・ルイに見に来てもらっても大丈夫なはず。

古正寺:うん。MAPAにもBiSが好きな子はいるから、あまり関係ないかもしれない。

プー:そう言ってもらえてちょっと未来が明るくなりました(笑)。TOKYO PINKでオーディションするときって、いつもどこを見ますか?

大森:パフォを見て決めます。いまのところはそこだけです。

プー:そうなんですね。うちは合宿をやろうと思っていて。

大森:いいね。それをやっておけば変なこと起こらないのかも。うちはステージに立つ上で気持ちの面で弱いかもしれない子とかも入れちゃったりするので、逆に申し訳ない気持ちになったりするんです。やっぱり、WACKの合宿とかは羨ましいですもん。

――今回、それに近いものをやろうとしてるんですよね?

プー:はい。朝早く起きれるかから見ちゃいます。

大森:私はそれをやらせる能力がない。自分ができないから(笑)。

――早朝から走ったりするプランを見せてもらって、いまの時代にまじですかと。

プー:どんな人でもジョギングしたりするじゃないですか!(笑)。走ることが目的というより、朝5時に起きて準備ができるかどうかを見たいんです。

古正寺:あ、朝5時!?

プー:5時起床、6時マラソン。対談を経て、ちょっと見直し中ではありますが(笑)。

大森:才能って、どっちかなんですよ。考える能力があるか、考える体力があるか。体力を見るという点でいうと、それは正しいんです。それがある人間は、多少は頭が使えなくても生き残ることはできるので。

プー:たしかにPIGGSは体力がありますから(笑)。ロンドンに行ったときにMAPAと行動させてもらったんですけど、事務所によってこんなに雰囲気が違うんだなと思いました。アフタヌーンティーについて行ったんですけど、みんなの写真の撮りかたがすごかったんです。角度からなにからこだわっていて。PIGGSだったら、まず食べちゃうから(笑)。

大森:でも、私は渡辺さんに怒られたよ。「お前ら自由すぎる」って。理由があるので言い返しましたけど(笑)。

プー:言い返せるのがすごい(笑)。そうやって自由でいられるのも才能じゃないですか。大森さんは突出した子を採っちゃうのかもしれないですよね。そのかわりコントールができないというか。私はいま、そういう子にちょっと興味があるんですよね。

大森:そういう人を採るならひとりだけでいいと思う。

プー:そう、ひとりくらいがいいと思ってます。

――プー・ルイさんは基本的にコントロールしたい人ですよね。

プー:そこは自分を変えないといけないなと思っているところです。私はコントロールされて生きてきた人間だから、言ったのと違うことをされるとムカついてしまうんです。そこを大目に見れないと人って育たないですよね。大森さんは、遅刻してきたりとか、刃向かわれたりしたらムカつかないんですか?

大森:……ないかも。ふーんってなるほう。それでも黙らせられる才能がないんだったらちゃんとやれよとは思うよ。例えば、遅刻してきても、遅刻したぶんの元が取れるならいい。3時間でやることを30分でやれるならいいじゃないですか。

プー:できないことがあってもそれをカバーできる人間性とか、なにかしら素晴らしいところがあればいいですよね。古正寺も、BiSに加入して初アー写撮影の日、2時間遅刻しましたから。先輩5人を待たせて(笑)。そういう意味ではTOKYO PINKに入るべくして入った人なのかもしれない。

古正寺:遅刻常習犯みたいに言うのやめて(笑)。

プー:人生初めてのアー写撮影ですよ? しかも、遅刻してるのにシャワー浴びてから来ましたから(笑)。

古正寺:逆に初アー写だからシャワーはちゃんと浴びないと。

大森:やば(笑)。たしかにいまも特典会準備は一番遅いよね。

古正寺:私がいるからみんなが安心して支度ができてるんです(笑)。

プー:いいように言うね(笑)。コショは当初、BiSのメンバー5人から嫌われてたんですよ。

古正寺:え、全員から!?

プー:度重なる無礼があったので(笑)。決まりごとをやれない、提出期限を守らない人だったので嫌われてたんですけど、結局、それを自ら覆していったんですよ。

大森:やっぱ最初は評価低めで入ってくるほうがいいのかな。上がっていけるからお得だね。

――古正寺さんは疲弊しきったメンバーたちの癒しの存在になってましたもんね。

大森:BiSは疲れてたよね。

古正寺:疲れてた疲れてた。

プー:そうそう。温泉でコショが「BiSが大好きなんです」って全裸で言い始めたあたりから、みんなが「こいつはなにを言っても聞かないけど、愛すべきバカなんだ」って折れたんです(笑)。そう思わせるのも才能じゃないですか。私たちがファンになっちゃったということなので。

大森:それがベスポジだったんだと思う。あのときの古正寺が一番かわいがられてたよね。それ以降、あのポジにはいないから。

――Maison book girlやMAPAでは先輩として引っ張る存在になりましたからね。当時はBiS的な重い空気に染まらない、ある意味天使的な役割だったと思います。

プー:そう思って見てました。でんぱ組さんと仲良くなっちゃうし、大森さんともそうだし。すごいなこいつ、と思ってました。ひとりで楽屋から出て行っちゃうんですよ。私たちが疲れてて動けなかったというのもあるんですけど。

大森:誰かと仲良くなる気力もなかったんだね。

――そしていまは、そんなふうに自分の予測できないメンバーがほしいと思っているんですね。

プー:そういう存在が必要なのかなって思えるようにはなってきました。PIGGSにそういう子がいないというわけではないんですけど、素直で真面目な子が多いので、まとまりがよかったというか。せっかくなので、違うやりかたを考えたいなと思ってます。

大森:プーちゃんはもちろん核なんだけど、もうひとり別の核がいると光る人なんだよね。プーちゃんは引っ張る人というより引っ張られる人で、なにか指示されたときの反応がものすごく早いイメージ。自家発電タイプではないから、そのタイプの人を入れたほうがいい。だからそういう人はオーディション外でひとり見つけて、残りのメンバーをオーディションで探すのが一番間違いなそうな気はするかな。

プー:さすが大森さんです。ワントップよりツートップのほうがうまくいんですよ。負けず嫌いなので、すごいやつがいるとやべーって燃えるタイプだから、ツートップがいい。BiSで言ったらウイぽん(ファーストサマーウイカ)とか(寺嶋)由芙ちゃんとか。私にはそのふたりなんて絶対にコントロールできないじゃないですか。

――独特の緊張感はありましたよね。

プー:私は大人の言うことを聞くので、大人のウケはよかったんです。でも、そのふたりって大人のウケがよかったと言うとそうではなかったかもしれないけど、ファンのかたからは愛されていたから、それも正解なんですよ。私はいま、そういう人を選んでみたいんですよね。人を蹴落とす系としてやり合いたい。

大森:蹴落とす系(笑)。

――発想が2010年代すぎる!

大森:でも、わかるよ。

古正寺:人間としての本能がそうさせるんだね(笑)。

プー:だから一番必要としているのはバランサーというよりカリスマ? そういう人にかき乱してほしくはあります。あと、私が聞いてみたいなと思っていたのは、古正寺のメンバーとのコミュニケーションの取りかた。あれはすごいなって思う。

古正寺:そうなの?

プー:上手だよ。みんなよりもずっと先輩なはずだけど、ちゃんと溶け込んでるでしょ? どうやってあんなふうに距離を取ればいいんだろうって思う。距離を意識してると悟られてもダメじゃないですか。

――大森さんもZOCXのメンバーとの溶け込みぶりはすごいと思います。

大森:私の場合は喋りかたを真似してるな。その語彙で喋ってる。相手によって変えてるよ。全員そう。

プー:すご! でも、好かれ過ぎちゃうって言いますよね?

大森:それはいつもそう。好かれ、嫉妬され、おかしくなる(笑)。

古正寺:みんなおかしくなってる(笑)。自分はどうだろう……このメンバーとばかり話すとかもないし、みんなでご飯行くとなったら3回に1回は行くようにしてるくらい。そんなに特別なことはしてないけどな。

プー:逆にそのくらいしか行かないんだ!

大森:MAPAは意外と仕事としての距離感をちゃんととってるよね。

プー:今回の対談、毎回その話になります。私は人との距離感が下手なんです。近すぎるかめっちゃ遠いか(笑)。

大森:めっちゃ仲よくてうまくいかないこともある?

プー:うーん、PIGGSは一緒に住んで家族みたいになっちゃったから。それで仕事としての発言なのかそうじゃないのかがあやふやになってしまって。

大森:そうか。じゃあ距離はとったほうがいいね。

プー:だから、初期BiSの最後の6人が一番うまくいってたんだと思います。

古正寺:プー・ルイとノゾ氏(ヒラノノゾミ)が初期メンバーで、その下に3人いて、その下が私。プー・ルイが一番上にいつつ、間の3人がうまいことやってくれたりしてたよね。

プー:うん、特にウイカ様の立ち回りが見事だった。

大森:一流の中間管理職みたいな立ち回りをしてくれそうだもんね。

プー:ただ、当時の私は幼かったから、それが不満だったんですよ。

古正寺:なんでよ(笑)。

――上手な立ち振る舞いしやがって、みたいなことですか。

プー:そうそう。いま思うと私が幼稚すぎてくだらないんですけどね(笑)。もっと不器用にやれよ、みたいな渡辺さんイズムに染まりすぎていたので。

大森:ああ。でも、合わないなっていう人がひとりくらいいるほうがグループっぽいから。

プー:それなんですよ。私が「なんだよこいつ」って思う子がいるほうがうまくいくとわかった。でも、いまは私がキャリアを積んでしまったのでムズいんですよね。ライバルみたいにはなりにくい。それで逆に距離感バグおばさんになってしまう(笑)。PIGGSが始まるときにコショからLINEがきたのを覚えていて。「最初から全力で頑張っちゃダメだよ」「みんながみんなプー・ルイみたいな人じゃないからね」って。

古正寺:そんなこと言ってたんだ(笑)。

――めちゃくちゃ正しいじゃないですか!

プー:真理です。頑張っちゃったし、みんながみんなプー・ルイと同じだと思っちゃった(笑)。

古正寺:だから逆にプー・ルイをコントロールするくらいのメンバーが必要なのかも。

プー:私のかわりにコントロールしてくれる人と、カリスマがいればいいのかな。

大森:カリスマってどこにいるんですか(笑)。

プー:それで言うと、最初のZOCは特にすごかったですよね。

大森:ZOCはそれこそ「なにこいつ?」っていうのを全員入れたの(笑)。理解できないなって思いながら、理解できないことだけが楽しかったから。

古正寺:最初の曲が「ZOC実験室」だから、ほんとうに実験してましたよね。

大森:そうそう。仲良しごっこするつもりもなかったから。

プー:それがかっこよかった。

大森:それぞれ共通点もあったし、まだカリスマじゃなくて普通っぽい部分もあったけど、いい意味でライバル視していて、あいつがそっちなら自分はそこはやらない、みたいなバラけかたをしたんだよね。自分たちでそれぞれ違う方向に行った。あれは全員が同期だからよかった。

プー:みんなが対等に見えてました。大森さんと対等に渡り歩くのはかなり大変じゃないですか。それができているのがすごいなと思ってました。私もそこを目指したい(笑)。

大森:プーちゃんのグループって、プーちゃんのファンがついてくる感じ? それともPIGGSというコンテンツを好きでいてくれる感じ?

プー:どっちなんだろう。もちろんコンテンツをおもしろいと思ってくれてるんですけど、深く辿っていくと、私の夢を応援してるというところも大きい気はします。うちには大きい物語がそれしかなかったので。私がPIGGSから抜けたあとは、5人がどれだけ夢を語れるか次第だと思ってます。ぶーちゃんズのみんなも応援するのに意味がほしいし、5人の意志を見たいと思うんですよね。だから、うちのファンは音楽を好きでいてはくれているけど、音楽が好きというよりも、武道館に立つところを見たいとか、一緒に夢を追いかけたいというほうが強い気がします。ただ、それもちょっとこわいとは思うんですよ。音楽が好きで見に来ました、というのが健全だと思うので。そういうファンを作ったことがないので、実際はどうなのかわからないんですけどね。

古正寺:その音楽が好きで、その歌が好きで、そのライブが好きという人もいっぱいいるんじゃない?

プー:もちろんいるけど、きっと順番が違うんだと思う。音楽は好きだけど、その前にその人の夢が好きというか。うまく言語化できないんだけど。

大森:その渦みたいなのがアイドルカルチャーだよね。うちの事務所は多分、そのなかにはいないので、それがいいところでもあるし、足りないところでもある。音楽ができているという点で最初から達成してしまっているから、じつはハングリーさに欠けるんですよ。大きい夢を見ようぜ、というのを失いがちでもあって、それはファンにも伝染していくものだと思うから、一緒に夢を見ることができるというのはいいことだと思うよ。

プー:どっちにもいい面とそうじゃない面があるんですね。たまに古正寺と真面目な話をするんですけど、コショは自分の表現したいものが一番にあるから、そこは私と違ってアーティストなんです。私は目的が一番にきちゃう。私はこの表現がやりたいんだ、それについてこい、というタイプではないんですよ。

――アイドルはあくまで手段であると。

プー:プー・ルイ自体のスタートが、この曲を歌ってください、と用意されたものだったので。もともと武道館も自分で持った夢ではなくて、活動していくなかで武道館でできそう、でも、できなかったというストーリーが生まれていって、いつしかそれがほんとうの夢になったので。だから武道館に立ちたいけど、そこでなにをやりたいかというのがないんですよ。もちろんやると決まったら、この曲をやりたい、とか、こんな話をしたい、とかはあるんですけど。順番が逆なんです。

――ただ、武道館へのこだわりの強さは相当なものだといつも思います。

プー:それを叶えるための仲間がほしいんですよね。時代は変わったかもしれないけど、そんななかでもおもしろい子を見つけたいなと思ってます。

――この対談シリーズの流れで言えば、大森さんと古正寺さんに来てもらったのには理由があって、ふたりを新プロジェクトに巻き込みたいというのもあるんですよね。

プー:もちろんそうです(笑)。大森さんに曲を書いていただく日がきたらいいなって。

大森:全然やりますよ。

プー:私が大森さんの曲を歌うイメージってないじゃないですか。

古正寺:たしかに! 意外となかったんだね。

プー:コショとはいつも一緒にいるから、なにしてもらおうかな。やっぱり対バン?

――グループを一緒にやるのはどうですか?

古正寺:えー……(笑)。

プー:それなら大森さんも一緒に。

大森:私も? やるならリハは少なくしてください(笑)。でも、まだグループがない状態なのにこういう企画をやるなんて偉いね。

プー:気合いだけは入っちゃってます。私はこわくないから応募してねっていう企画です(笑)。

古正寺:プー・ルイがやるグループなんだから、プー・ルイらしさがあると私は嬉しいな。これだけ話したら、逆にそのオーディションを見てみたいかも。

大森:たしかにね。ある程度選ばれたうえでどんな人が残ったのか見てみたいね。

プー:おもしろい! 違うタイプの子にかき乱してほしいと思うけど、やっぱり自分で選ぶと自分の好みが出ちゃうから。大森さんたちにやばそうな子を見つけてもらいたい。

大森:見る、見る。

プー:じゃあそのときはよろしくお願いします。TOKYO PINKのオーディションも見に行かせてください(笑)。

新グループメンバーオーディションを開催中のプー・ルイ。今回は振付師、Hey!Mommy!プロデューサーである槙田紗子を招いて、アイドルプロデューサー対談を実施!

<プー・ルイ新オーディション詳細はこちらから> ※応募締切は2025年9月30日23:59

インタビュー/文:南波一海

撮影:METTY


――2010年代前半の、いわゆるアイドル戦国時代に活躍されたおふたりですが、接点はあったのでしょうか。

槙田紗子(以下、槙田):それこそ昔、対談しましたよね。『Top Yell』という雑誌で。どのくらい前だろう……少なくとも10年は経ってます(『Top Yell』2013年2月号掲載)。

プー・ルイ(以下、プー):そうだった! 色んなことがありすぎて当時の記憶がなくなってました(笑)。

槙田:わかります。ごっそりないですよね(笑)。私もほとんどの記憶がないんですけど、それは覚えてました。

プー:私たちがデビューした時点で、ぱすぽ☆さんはすごいアイドルだったんですよ。デビューは何年でしたっけ。

槙田:結成が2009年で、メジャーデビューが2011年です。

――戦国時代の中心にいましたよね。ブームに乗ったというより、担った側と言いますか。

プー:そうそう、そういう認識でした。

槙田:たしかに。TIF初年度組ではありましたし。

プー:私たちは不良なので最初の2年くらいはTIFに出られなかったです。

槙田:いや、BiSさんはほんとうに衝撃的でしたよ。こんなのありなんだ、みたいなことをやりまくっていて。違う世界の人のようでした。

プー:よくない衝撃ですよね(笑)。私はぱすぽ☆さんを羨ましいなと思って見てました。私たちはアイドル界で好かれていなかったので。

槙田:好きかどうかというよりも、これをご本人たちはどういう気持ちでやっているんだろうというのは私たちの間でも話題になってました。やりたくてやってるのか、イヤでやってるのか。イヤでやってたらどうしようって話してました。

プー:優しい(笑)。心配していただいてたんですね。

槙田:まだノーと言えない時代だったじゃないですか(笑)。

――少なくともプー・ルイさんはイヤではなかったんですよね。

プー:アイドルになりたてでイヤだという感情がまだ存在しない時期でした(笑)。イヤだった人も全然いると思います。でも、私たちは持たざる者なので、それをやるしかないと思ってたんです。

槙田:ほんとうに気合いが入ってましたよね。

――そんな時代があったよね、と昔話をしているプー・ルイさんがいまもバリバリ現役というのもすごいなと思います。

槙田:ありがたいです。同じ時代を生きた者として勝手に親近感があるんですよ。アイドル業界も時代がどんどん変わっちゃってるから、私たちの時代のマインドを残してくれる人がいまでもいてくれることが嬉しいなと思います。

プー:残していいものかと思いますけどね(笑)。

――気合いとか根性の人ですから。

槙田:でも、私もそっちなので。

プー:紗子さんがプロデュースしているHey!Mommy!さんにはきっと優しいですよね。

槙田:それが、じつは結構……(笑)。

プー:そうなんですか! 今日はプロデューサーとしてのお話を聞いてみたかったんです。

槙田:プー・ルイさんはPIGGSさんでプロデューサー兼メンバーとしてがっつりやられているから、私よりも相当経験は豊富じゃないですか。共同生活をされたりとかで、濃さも全然違いますし。

プー:私はわけもわからずはじめて試行錯誤しながら進んでいったタイプなので。失敗や反省もたくさんあります。

槙田:私は(カミヤ)サキさんからお話を聞いたりとか、ライブを拝見させていただいたりして、羨ましいなと思ってました。もちろん大変なこともいっぱいあると思うんですけど、あそこまでぶつかり稽古みたいなことができるのって、いまの時代では貴重だと思います。お互いをさらけ出してぶつかっていく関係性ってなかなか作れないし、やっぱりプー・ルイさんの気合いのレベルが違うから、まわりもそれについていくんだと思うんですよね。バンドみたいでいいなって思います。私はアイドルをやっていたときから、男に生まれてバンドをやりたかったなって思ったんですよ。

プー:そこは似てるかもしれない。もともとバンドをやりたくて、でもできなくてアイドルになったので。

槙田:そうなんですね。もし意見の相違があるなら、できるならケンカもしたいっていうのが本心としてはあるんですけど、いろいろなことを考えると実際にはできないんです。

プー:そこはメンバー同士じゃないと難しいですよね。

槙田:そうですね。言いかたには気を使うし、言えないことのほうが多いです。思っていても言わないことのほうがずっと多い。

プー:それは我慢できるんですか?

槙田:波紋を生まずに済ませるほうが、先の自分にとっていいだろうと思うんですよね。衝動的に言っちゃうのは危険というのもわかってるんですよ。だから一旦我慢して、冷静になることにしていて。冷静になると忘れちゃったりして、その程度のことだったりもするので。

プー:その我慢はいつくらいからできるようになりましたか?

槙田:プロデュースを始めてからですね。

プー:そうなんですね! 私はいまでも苦手で。

槙田:でも、それもいい気がするんですよね。お互いの言いかた、受け取りかたが合致しないと結局はハレーションが起きるので、怒られることは必ずしもダメなことではないというのを理解してもらうのがなによりも大事というか。こう言ったけど、これは愛情なんだよっていうことをいかに伝えていくか。それぞれの育ってきた環境が違うので難しいですけど、愛情を持って褒めることを忘れないようにしてます。飴と鞭じゃないですけど。

プー:私は飴なし女なんですよね(笑)。

槙田:あはは。これは振付師をやるなかで手に入れたスキルなんです。普段はもっと距離のある人たちと仕事しているからというのはありますね。あの……女子は特に褒めればなんとかなるんですよ(笑)。

プー:わかります!

――男の私が言うのもなんですが、それは言って大丈夫ですか(笑)。

プー:褒められると実際に変わるんですよ。

槙田:自分も褒められたら嬉しいからわかるんですよね。そのほうがスムーズに進むことが多くて、めんどくさいから褒めるみたいなこともいっぱいあります(笑)。かわいい、かわいいって言いまくりです。

プー:あはは!

――槙田さん、メンバーさんが読まないと思って話してますよね(笑)。

槙田:全然大丈夫ですよ。

プー:大丈夫なくらいの関係性を作れているということですよね。私は飴がないので厳しくしちゃいますね。わかるんですよ、それは言わないほうがいいって。だけどその瞬間はもう忘れてるというか、口に出てしまってる。そして後悔の日々。

――それこそ槙田さんのように、プロデューサーや振付師として関わるならどこかで線引きをするわけじゃないですか。でも、プー・ルイさんの場合はきっとプロデューサーというよりもアイドルの当事者同士として言うわけですよね。ただ、経験値は相当違うわけで。

槙田:きっと求めるものも大きくなっちゃいますよね。

プー:そうなのかも。年が10いくつ違うのも忘れて、同い年だと思っちゃうのがよくない。紗子さんはメンバーさんとご飯は行きますか?

槙田:ほぼ行かないです。私はめっちゃ線を引くタイプなんです。この4年間で、ふたりだけでご飯に行ったのは……ひとり一回ずつくらいです。リーダーの子だけは別で、何度もあるんですけど。行きますか?

プー:私はよく行きます。しかもバランスを考えないので、 やばいです(笑)。次のグループでの私の課題は「距離感」なんです。ゼロ距離はやめようと。PIGGSは一緒に住んじゃったから、家族になりすぎちゃったんですよね。良いこともあるけど、プロデューサーや社長である以上は一定の距離は必要だと思いましたし、ミキティーも槙田さんも言っているということは、それが正解なんだと思います(笑)。

槙田:ミキティーさんも仰ってましたか。

プー:距離は取るし、愛をあげなさいって。私に足りないものはそれなんだなと。

槙田:新しいグループもメンバーとして入るってことですよね。

プー:はい。懲りずに。

槙田:そもそもプロデューサー兼メンバーというのが距離感を作りにくいポジションだと思うんですよ。メンバーとしては距離を作りすぎるのもよくないですし。

――10歳離れてるという話も出ましたが、ジェネレーションギャップも発生しますしね。

プー:そうなんです。2010年のあれを見てないので。当時は過酷だったけど、夢もあったじゃないですか。頑張ったら頑張っただけ成果が出るし、たとえ頑張りかたが間違っていてもある程度は得られるものがあったけど、いまはそうじゃないので、夢を見させてあげるのも難しいなって思います。

槙田:たしかにそれはありますよね。

プー:どうやって人参をぶらさげてますか?

――ほかにも言いかたありましたよね(笑)。

槙田:目標的なことですか? こっちが提示する形かも。

プー:このハコ押さえたよ、みたいな。

――自発的には出てこない?

槙田:そうです。長期的な目線ではなく、短期でここまでの期間はこうで、次はこうで、とやっていくしかないというか。それはきっとうちだけじゃないんだろうなという気がします。

プー:どこもそうです(笑)。

槙田:でもそれって、昔だったら考えられないじゃないですか。何年後の武道館が夢としてあるなら、その間にこの通り道をクリアしていこうね、というやりかたでしたよね。いまはこまごまと次はここでやるからねというのを早めに伝えて、そこに向けて頑張る。簡単に言うと、目先の目標を作る。

プー:見える範囲のものですよね。

槙田:はい。きっと大きすぎると現実味がないんだと思うんですよね。

プー:先のことを考える目線はあったほうがいいと思うんですよ。私は自分の意志がなくて困った経験があるんです。野に放たれたときに、自分はなにがしたいのかわからなくなってしまった。ちゃんと考えられる人になったほうがいいと思うんですけど、でも、やっぱりなかなか難しいよなって。だから次のグループでは、最初から打ち合わせにもなるべく参加させたいんです。それもあって、少人数でやろうと思ってます。逆に、紗子さんは自分でアイドルグループに入ろうとは思わなかったですか?

槙田:え、まったく思わなかったです(笑)。私はクリエイティブに回りたいということでアイドルを辞めたんですね。そもそもやりたいという気持ちがなかったです。

プー:現役の間にその気持ちを持てたのがすごいなと思うんですけど、それはどうしてなんですか?

槙田:グループがだんだんセルフプロデュースっぽくなっていったのが大きいんですよね。衣装をデザインするメンバーがいたり、歌詞を書く子がいたり、振り付けする子がいたりして。そのなかで、私は演出を少しずつやらせてもらうようになったんです。このブロックだけやっていいよ、みたいな感じから、どんどんやらせてもらえるようになっていって、「あれ? こっちのほうが楽しいな」と思うようになっちゃったんですよね。メンバーを動かすのも楽しかったし、もともと裏方脳で、このタイミングでこの曲はないだろって言ったりするタイプでしたし(笑)。だから、そういう機会をいただける環境だったのがよかったんですよね。

――楽しいと思って進んだ先に才能を発揮できる場があったということですよね。

プー:いまこれだけのご活躍をされてますから。当時のアイドルで、なんなら一番の成功者じゃないですか。

槙田:そんなことはないですけど(笑)。直感でこっちだと思ったんですよね。

プー:それで言うと、逆に私は演者以外に楽しいものがないからかもしれないです。やっぱり一番楽しいのがアイドル。

――社長業のおもしろさとあると思うけれど、それ一本ということにはならない。

プー:一本はイヤですね。

槙田:きっとどっちかだけじゃダメで、どっちもやってるからバランスが取れるというのもありますよね。例えば、社長業がすごく大変でもライブをやったら忘れられるとか。やっぱりライブってすごいので。

プー:直でお客さんの思いを浴びるので、イヤなことがあっても頑張ろうっていう気にはすごくなりますよね。

――このオーディションの流れになる数ヶ月にたまたまプー・ルイさんにインタビューする機会があって、2030年代もアイドルを続けていそうだし、年齢的にも40代に突入しますね、みたいな話を振ったら「いやいやいや、そんなにやりたくないです」と言われたんです。でも、いまはもう「40歳になってもやってそうです」みたいなことを言っていて(笑)。

槙田:全然やってそう。2010年代って、アイドルにとっては年齢がすごく影響していたじゃないですか。私も20歳を越えたときに自分のことをもう年寄りだって思ったんですよ。

プー:そうか。始めたのは16歳くらいですよね。

槙田:みんな10代からスタートしたグループだったんです。私の2個上のメンバーが最年長だったんですけど、その子が20歳を越えたときにババアっていじってて(笑)、いまじゃそんなの考えられないじゃないですか。自分も22で辞めたんですよ。

プー:早い!

槙田:そうなんですよ。でも、いまは22から始めるなんて普通だし、ほんとうに時代が変わったなって思うんです。私は裏方に行きたいと思ったから辞めたけど、もし時代が違ったら、続けることはできたんだろうなって。

――少なくとも年齢を理由に辞めることはないですよね。

槙田:そうですよね。当時は辞める理由のひとつに自分の年齢もあったので、そこはいい意味で変わったと思うから、プー・ルイさんには何歳になっても続けていてほしいなと思います。それが私たちの希望というか。

プー:ダークサイドだった私が、2010年のアイドルの希望になる(笑)。

槙田:時代が巡ると考えると、またああいう熱の高い時代がくると信じたいので、それを牽引してほしいです。帝王として。

プー:地下アイドルの帝王になりたいな(笑)。いまはKAWAIIが流行ってるじゃないですか。私はそのカルチャーと関わりがなさすぎて違うもののように思っちゃうんですけど、実際に接すると気合い系だったりするんですか?

槙田:KAWAII LAB.の子たちはニュートラルかもしれないです。いまどきすぎて理解できないなって子は全然いないですし。

プー:やっぱりそうですよね。PIGGSは一度、TikTokでバズり狙いの曲とダンスを試してみたんですよ。そうしたら、お客さんが超いなくなりました(笑)。

槙田:えー! 減るってことがあるんですか?

プー:減っちゃいました。メジャーを決めたタイミングでもあったので、お前らは魂を売ったのかと。チーム感とか根性を大事にしてきたのに、そういうことを思わせちゃうような行動をしてしまいました。それまではプー・ルイ史の中でもめずらしくうまくいってる感があったんですけどね(笑)。うまくはいきませんでした。

槙田:大きいところでたくさんライブしてましたよね。

プー:それが、スコーンと減って。これが失敗というものかと身をもって知りました。熱量高く応援してくれている分、がっかりされるのもすごい速さと言いますか。

槙田:現状維持とか、あまり変わらないから意味なかったね、とかならわかるんですけど、減るっていうのは驚きです。

プー:どうしても合わないものってあるんだなと思いました。インディーズに戻って、帰ってきてくれた人もいるんですけどね。でも、それから挑戦するのがこわくなっちゃったところはあります。

槙田:ただ……いまって音楽番組の収録があると、共演者とTikTokを撮る時間がスケジュールに組み込まれているんですよ。TikTokが当たり前になってる。それはそれで、ちょっとおそろしいなと思うことはあります。これくらい当たり前になっちゃっていいのかなって。

――槙田さんがTikTok以降の世の中をそう見ているのが意外でした。

槙田:私はその界隈の人と思われがちですけど、そんなことはなくて。発注に対して忠実に仕事をしているだけなんです。自分はKAWAIIが得意だと思ったことはなくて、求められているからそこはちゃんとやるという感覚なんですよね。

――ある意味、プロとして当然の仕事をされているだけであって。

槙田:だから自分のマインドはアイドル時代から変わってないし、PIGGSさんみたいに熱い振り付けも作りたいんですけど、依頼が来ないからやってないだけです(笑)。

プー:そっちの人だと思っている人が多いから。

槙田:でも、餅は餅屋でいいとも思ってるんです。だから、バズって嬉しいな、みたいなことは想像されるよりは自分では思ってないんですよね。

――自分のやるべきことをやっていたら、たまたま時流と合致したというのが理想ですよね。

プー:そうなりたい(笑)。

槙田:時代の変化にともなうタイミングってあると思うんですよ。私は手振りが得意な人だって言われるんですけど、TikTokができる前から手の振り付けは得意だったんです。K-POPで育っているので、もともと好きなんですね。あとは、それこそプー・ルイさんたちみたいにライブが得意なみなさんから学んだんです。手はここより上にあったほうがお客さんと盛り上がって見えるんだ、とか。そうやって学んできて、そういう振り付けばかりを作っていて、たまたまTikTokという媒体ができて、たまたまコロナ禍がやってきて、家で座りながらできる踊りの需要が生まれて、運がよく自分の担当しているグループがバズったりして、という運の巡り合わせだったんですよね。自分はなにかを変えたわけではないんです。だから、プー・ルイさんにも変えないでほしい(笑)。

プー:それもいばらの道ですよ(笑)。いまのところ、時流の真逆を行こうとしてます。ドキュメンタリーとして裏側も見せまくりで、音楽も激しいロックで。

槙田:最高だと思います! ここから何年かしてまた次の時代に入っていったときに、バーンとハマったら、プー・ルイさんが帝王です。

プー:なれるかなぁ……なれたとしても帝王になるときは40代(笑)。

槙田:年齢は関係ないです。ずっとすごい人なので。

――波を待つこと何年。

プー:波がやっときたと思ったら、BiSHが乗っていってしまったし(笑)。

槙田:いやいや、じつは去年のBiSさんの復活ライブを見に行かせていただいたんですけど、私は心が震えたんですよ。

プー:えー!

槙田:ありがとうございますという気持ちにすごくなって。この空気を作れるのはBiSさんしかいないし、ファーストサマーウイカさんが、BiSHがいるのはBiSのおかげ、BiSがいるのはプー・ルイのおかげなんだよ、ということを言ったときに涙が出そうになりました。「ほんとそうなんだよ!」って勝手ながら思ったんです。メディアに注目されているものしか見えにくい世界ですけど、そうじゃないところにも本質がある。お客さんもすごくいい顔をしていて、やっぱこれだよな、いまはこれがないよなって感動しちゃいました。サキさんに長文でLINEを送って、会ったときも感想を熱弁しました。あのときの感情はその後もしばらく引きずりました。

プー:そうだったんですね。

槙田:あの時代を思い出しました。当時はどれだけほかのグループのファンをとれるかしか考えてなかったな、とか(笑)。

プー:わかる! その結果、当時のBiSはあんなことになってましたけど。

槙田:やりすぎです!(笑)。

プー:その時代の熱を紗子さんが引っ張ってもう一度取り戻そうと思ったりしますか?

槙田:そこはあまり(笑)。自分がどうするとかは思ってなくて、時代は巡るだろうと思うタイプです。

プー:じゃあ一緒にやりましょ?(笑)。

槙田:やばい、巻き込まれる(笑)。この間、@JAMでHey!Mommy!を見たかたのポストが流れてきたんですけど、「紗子さんはあの頃の色を忘れないでいてくれてる」というのを見て。Hey!Mommy!に懐かしさを感じるかたがいるみたいで、私が無意識レベルで教えてることが昔のテイストだったりするのかなって思いました。ライブの作りかたとか体力勝負なところとか、当時のぱすぽ☆を知る人からすると「紗子がいっぱいいた」ってなるみたいです。

プー:それは曲を聴いてもライブ映像を見てもそう思います。どこか懐かしい感じがするんですよね。

槙田:Hey!Mommy!には振付師としてではなくて、自分のアイドル時代の経験を投影しているかもしれないですね。だから時代を取り戻そうとは思ってないですけど、無意識に当時の熱を残しておいている感じなのかも。

プー:今日の話を読んだら、古のおたくは泣きますね。もうお空に行ってしまった人たちも何人かいますけど……(笑)。届くといいな。

――今回のオーディションの話をすると、いま話されている歴史に重量感があるので、人によっては物怖じしてしまうのではないかと思ったりするんです。

プー:それが向こう側の第一次審査になってますよね。なにをさせられるかわからないから、気軽にエントリーできない(笑)。いま、応募が○○○人なんです。

槙田:え、全然来てると思います。私だったらプー・ルイさんとできるなら、自分が成長できるから飛び込みたいなって思うんですけど、それが高い壁に見えてしまう人もいるのもわかる気がします。いまは、どM気質がそんなにいないのかな(笑)。昔はみんなどMでした。

プー:私は究極のどMです!

槙田:絶対そうですよね(笑)。わざと自分を厳しい環境に置いて戦いたいというオーディションに見えているとしたら、それをやりたいと思う子はもしかしたら多くはないかもしれない。でも、無名のところから始めるわけじゃないからチャンスでしかないと思うんですよね。めちゃくちゃいい環境というのは間違いないです。

プー:脱がしたりはしないですよ。それ以外のことはわからないですけど(笑)。

槙田:でも、オーディションは絶対に厳しくやったほうがいいと思う。最初が大事だと思います。

――そろそろ締めないといけない時間ですね。

プー:今日は聞いてみたかったことがたくさん聞けました。ありがとうございます。新グループではぜひ振り付けのオファーをさせてください。

槙田:やりたい! 古のオタクたちも喜びますよ。

プー:霊感がはたらいて「今日のライブハウスの空気なんか重くない?」みたいなことになるかもしれない(笑)。でも、紗子さんに言っていただけたので、帝王を目指しますね。

槙田:ついて行きます(笑)。



新グループメンバーオーディションを開催中のプー・ルイ。二丁目の魁カミングアウトのメンバーでありプロデューサーのミキティー本物を招いて、アイドルプロデューサー対談を実施!

<プー・ルイ新オーディション詳細はこちらから> ※応募締切は2025年9月30日23:59

インタビュー/文:南波一海

撮影:METTY


ーープー・ルイさんとミキティーさんは知り合って15年近い仲ですが、今回、オーディションをやるにあたって聞いてみたいことがあるということで。

プー・ルイ(以下、プー):オーディションはどうやってるのかとか、応募がどれくらい来るのかとか。スカウトはしてるの?

ミキティー本物(以下、ミキ):してないしてない。全部オーディション。いままで私たちは3回くらいやってきて、最初の頃はゲイ限定で募集してたんだよね。で、白鳥白鳥ときまるモッコリが辞めたあとのオーディションは性別を問わないで、二丁目の魁カミングアウトになりたい人だったら誰でも受けられるようにしたの。だから、もしかしたらAAAみたいになっていたかもしれなくて。いまのリリスクとか。奇跡的にすごくいい子がふたりいたから、いまもゲイアイドルとしてやっているけど、「ゲイアイドル」という言葉を捨ててても、アイドルを続けることのほうが大事だと思ったからどっちでもいいよって言ったら、女の子の応募もすっごいいっぱい来て。

プー:すごい。

ミキ:でも、それまでは10人とかだよ。ぺいちゃんが入ったオーディションは6人。

プー:あはは。でも、BiSのメジャーデビュー前のオーディションは10人だよ。エイベックス史上一番倍率の低いオーディションをやったという(笑)。そこでミッチェルとワッキーをとったから。

ミキ:それでよくあんないい子たちがいたね。

プー:1/5の確率でメジャーデビュー。でも、エイベックスって言ってなかったの。それだとBiSとか関係なくたくさん来ちゃうから、BiSのオーディションとだけしか言わなかったら、それしか来なかった(笑)。

――戦国時代華やかりし頃に。

プー:だから書類選考とかもなく、最初から全員面接だった。

――プー・ルイさんは基本的にオーディションで人を集めたいのでしょうか。いまは力のある経験者もたくさんいると思うんですよ。

プー:そういう子のスカウトも考えて動いたんですけど、まず、友達がいない(笑)。知り合う機会もないし、私は飲み会とかも行かないし。

――飲み会?

プー:いわゆる港区系の。

――同業者と知り合う機会はそこなんですか(笑)。

ミキ:でもわかるよ。プライベートをどう過ごしてるかって超大事じゃん。私がスカウトしないのは、こっちから声をかけちゃうと、やってもらう前提になっちゃうじゃない?

プー:そうそうそう!

ミキ:だから、どんなにいい子がいても絶対にスカウトはしないと決めてる。向こうが「やりたい」という気持ちじゃなくて、こっちから「やってください」になると、それはちょっと立場が変わるよね。

プー:しかもプロデューサーだし社長の立場だからね。

――要は、主従関係が変わってきてしまうと。

ミキ:たくさん振り付けをやってきたなかで、「入ってあげた」になってしまっている場面も見てきたので。プーちゃんはスカウトじゃなくてオーディションからとったほうがいいと思うな。

プー:でもほんとうに数人だけど一緒にやってみたい子はいて、声をかけてみたいな、とは思ってるよ。いずれにせよ、自分のグループだと思って、意志を持ってやってもらいたいなと思ってる。

ミキ:意志って、なにに対しての意志?

プー:例えばだけど、デザインが得意だからグッズのデザインをやりたいとか。運営全体のこととかではなく、得意なこと、好きなこととかで積極的に関わってもらいたいなというのはある。インディーズバンドっぽいやりかたというか。

ミキ:でも、ちゃんと先に言っておいたほうがいいかも。私もメンバーに意志はちゃんと伝えてねって言ってグッズのデザインとかをやってもらうことはあるけど、できあがったものに対して、これは使えないってなることは全然あるから。これは変だからってNGってはっきり言ってしまう。それくらいちゃんと言っておかないと、世に出すものだから、頑張って作ったものだったら出していい、ということではないじゃない? そこはプロデューサーとか社長が見極めないとダメじゃん。でも、作った側からすると、これだけ頑張ったのにって思ってるから、そこでぶつかったりしてしまう。だから、いろいろ任せるけど最終的に決めるのは私だよって言っておいたほうがいい気がする。

――ふたりはステージに立つプレイヤーであり、それを組織するプロデューサーでもあるから、そのバランスは難しそうだなといつも思います。メンバーをコントロールしたい部分とメンバーに自主性を求めている部分があって、その境界線はそれぞれ違ったりすると思うので。

プー:私はそこの境界線が曖昧になりやすかったので、ミキティーにそう言われてはっきりさせていくべきだなと思った。オーディションの時点で、私のやりたいことを表現していくというのはちゃんと伝えた上で、それは私のワンマンプレーではないというのを感覚でわかってくれる子。ただ人の言うことを聞いていればいい、ということではなくて。特に経験者の場合はそういうところを見るかも。

ミキ:わかるよ。私は、私のことを絶対に聞かなきゃダメだよって伝えたことはないの。あなたたちを守るために私の言うことを聞いてもらうんだよって。私がしたいように やってるわけじゃなくて、さっきの話で言うと、その子が考えたグッズを世に出して、それがダサいだの、なんでこんな出すんだのって言われたときに、GOサインやNGを出している私が盾になるということをメンバーに理解してもらってる。なにかあったときに病むのはメンバーじゃなくて、私。

プー:わかる!

ミキ:私に責任転嫁していいよってスタンスなの。いまはファンの声でも病まない人間になったしね。

プー:すごい。どうやって病まない人間になったの?

ミキ:もう、うっせぇわって気持ち(笑)。ミキティーがうざいという言葉を見たら、たしかにうざいよねって汲み取ってたりもしたんだけど、たかが文字に振り回される自分がバカみたいだなと思って、私もたかが文字でうっせーなって感じで返すようにしてからは、なにを言われてもなにも気にしなくなっちゃった。

プー:まだその境地まで言ってないな。運営批判とかされると、どうせ私のことが嫌いなんでしょって気にしちゃう。

ミキ:コンビニがさ、おにぎりの値段が高くなったとか上げ底だとか言われても、内側にしかわからないことがあるじゃない? 物価がこれだけで原価にいくらかかっていて、とか。知らない人は好き勝手に言える。どんな仕事をしてたって、見えてない部分を見えてるかのように批判する人がいるというのがこの世界なわけで。それを考えたら、批判がなくなったらそれって宗教じゃない? 私は教祖になりたいわけじゃないなって気づいてからは結構楽になった。

プー:なるほどなぁ。

――個人的には、ひところに比べたらSNSに張りつくようにして見ることもなくなったので、ミキティーさんの言うことも共感できます。

プー:たしかにあんまり見なくなった。私たちも、コンビニのスイーツまずかったとか普通に思うからね。そういう感覚でポストしてるってことだよね。書いてる側も傷つけたいと思ってたり、明確な悪意があるわけじゃないというか。でも、そこで自分だけが悩んで、メンバーがあっけらかんとしているのにもイライラしてしまったこともある(笑)。全然わかってくれないなって。一緒に住んでたから、私の話も聞いてほしいじゃない? でも、それがうまくいなくて、立場の違いに寂しくなったりした時期もあったな。ミキティーは、メンバーが病まないようにしてるというのを聞いて優しいなと思った。私もそこまでいかなきゃですね。

ミキ:メンバーは私のことが大好きだからね。私が元気なくなると、一緒に元気なくなっちゃうわけ。あの子たちに心配かけたくないというのが強いから、いやなことがあっても人前では出さず、全部家に持って帰ることにしてる。前までは「病み」みたいなのがステージ上にも出ちゃってたんだよね。そこって味にもなるけど、私はそれを売りにしたくないから、その気持ちは楽屋に置いてステージに立つ。特典会でも見せずに家に持って帰る。そう意識してからは、結果的にグループにもいい影響があったと思う。

――そこはふたりの違いがあるかもしれないですね。プー・ルイさんはいまでもメンバーに嫉妬心を燃やしたりしますし(笑)。

プー:え、そうかなぁ?

ミキ:いい意味で負けず嫌いなのがいつまでもあるよね。そこはずっと見習いたい部分。私はそれがなかったんだよ。メンバーが4人いたら、私はプロデューサーだから4番手にいればいい。

プー:言ってたよね。

ミキ:でも、プーちゃんを見ると、社長であってもプロデューサーであっても一番を目指していいんだなって実感するんだよ。私にはそこが足りなかったから、ある意味最も尊敬してる部分かも。

プー:えー負けたくないじゃん。自分で好きに歌割りを変える権限はあっても理由がなければそれはしないと決めていて、 正々堂々と勝負して自分が一番歌ってやるって思ってる。

ミキ:ライブを見るとそれが納得いくもの。あそこはプーちゃんじゃなきゃダメでしょっていうのはわかるよ。

――もちろんメンバー愛もあるんですけどね。あの子はここがよくなった、みたいな話をしてくれることも多いですし。

プー:スイッチがあるのかもしれないですね。制作関係の打ち合わせになると、この子のこういう動画を作ったほうがいいとか提案しますし。自分はTikTokの数字下がってるからしばらく下げてくださいとか(笑)。でも、ミキティーにプロデュース論みたいな話を聞くのはおもしろい。オーディションではどんなところを見るの?

ミキ:一番大事なのは歌声。歌声から入る。うちらは歌手なので、歌を届けるというのが第一にあるから、まずは顔とかよりもまずはそこ。最後にやったオーディションは私とぺいちゃん(ぺいにゃむにゃむ)しかいなかったから、それに合う歌声がほしかった。それと、私たちの歌、私が書いた歌詞を歌うのに必要な声質かどうかを見て、その次に見るのが協調性だよね。だから合宿もしたし、2泊とかで一緒に生活してみたりして。ダンスとかはどうでもいいというか。

プー:へー!

ミキ:私も最初は素人で、誰かに習ったわけではなく振りコピしてたような人が、嘘ついて振付師と言ってプーちゃんたちの振り付けをやらせてもらったじゃん。そういうふうに始まって、いまはいろんな振付をやれるようになったので、ダンスは自分がどうこうすればどうにかなる。だからそこは気にしない。なんなら歌のうまさも気にしてない。

プー:声ね。そこは変えられないから。

ミキ:だからやっぱり声質と協調性かな。

――ユニゾンで歌ったときのビジョンを見据えたりもするんですか?

ミキ:そうそう。声が揃ったときの音も考えるし、あとは自分で歌詞を書いてるから、ここの部分はこういう声の歌うのがいいなというのがある。課題曲とかを出すじゃん? それをどういう表現で、どういうふうに歌詞を理解してるかを見る。オーディションには歌のうまい子も来たけど、ただ歌詞を覚えただけなんだなって人は落とした。

プー:それで言うと同じなのかもしれない。うちもKINCHANを採用したときは、一音も合ってなかったけど(笑)、グッときたんだよね。

ミキ:うん。グッとくるかどうかだよね。

プー:今回はPIGGSとは違う制作チームで初めてアイドルにがっつり参加する人も多いんだけど、そういう部分を擦り合わせるのも大事だなと思った。性格が悪かろうがそれも種類とか質によるし、結局は自分をファンにしてくれた子、自分が一緒にやりたいと思える子になるのかなと思うので。

ミキ:性格の悪さで言うと、そこはみんな大小あるじゃん。それをどう表現して、どこまで表に出すか出さないかの違いでしかない。それが協調性だと思うから。私はアイドル活動って人生の研修期間じゃないけど、例えば、いつか結婚して子供を産んで、となるときのための成長する期間でもあると思ってるわけ。それはどんなに売れてもそうで。ぺいちゃんだって最初は超性格悪かったの(笑)。もうやばかったけど、徐々にすごくいい子になっていったわけ。私も仕事に行きたくなかったら休んじゃなうようなだらけた人間だったけど、それも変わっていった。自分のことを好きじゃないから、その性格の悪さが生まれると思うんだけど、私が愛情を注ぐことでその子が自分自身のことを認められるようになったら、悪い部分がなくなっていくというのを何回も見てきたんだよね。

プー:性格は変わるというのはわかる。私も昔は性格悪いって言われたし。PIGGSでいうとSHELLMEが最初は大変だったけど、いまはいい意味で丸くなったよ。

ミキ:最初に会ったときのSHELLMEはこわかった(笑)。

――そうなるとますます、今回のオーディションはなにを見るのかが気になってきます。

プー:私はなにを見てたんだろう? 多分、根性を見てたのかもしれない。諦めない、負けないぞという気合いに惹かれる傾向があるかも。BAN-BANだったら1回目は落として、追加募集でまた来たときは顔つきが全然違ったんですよね。

――求める根性の大きさが異常だとは思いますが(笑)。

ミキ:そうだね。二丁魁も異常だけど、一応私たちは男じゃん。いろんな女性アイドルを見ていると、プーちゃんはほかと比べると異常だよね。求めるものが高いと思う。

プー:でも、ストイックだとは思ってないんですよ。もっとストイックな人はいっぱいいるし。

ミキ:いや、ダンスとかボイトレみたいな技術のストイックさの話じゃなくて、もっと精神的なところだと思う。十何年間も壮絶な経験をしてきて、社長になりました、PIGGSは新しい形になって、プーちゃんは新しいユニットをはじめて、またイチから始めますという根性はすごいじゃん。

――そういう経験を積んできた人と同じだけの根性となると……。

プー:そんなこと言ったら応募が来なくなるじゃないですか(笑)。私も失敗を経験してきてますから、前よりも許容範囲はすごく広がってますよ。いまは根性がなくても、根性をつけたい人でもいい(笑)。

ミキ:ある程度の期間を乗り越えられたら自然とそうなっていくだろうしね。

プー:合宿はなにしたの?

ミキ:ご飯食べてバーベキューして、歌の練習とかは1〜2時間だけで、あとは富士急に行ったりとかした。大事なのはそっちじゃん。なんならわざと油断させるためにひょうきんな人を演じたくらい。

プー:やるよね。社長はひょうきんな人を演じがち。

ミキ:そうしたらみんな奇跡的にいい子たちで、私が一番協調性なかったの。

プー:私も絶対にそっちだ(笑)。私がいま考えている合宿の行程を見せるので、意見もらっていいですか? そういう楽しいの全然入れてなかった。

ミキ:実技ばっかり? 遊ぶ日を作ったときに、私がメンバーのことを愛せるかどうかわかって。それってパフォーマンスを見るだけじゃ無理なんだよ。

プー:結局好きにならないと優しくできないもんな(合宿のプランを見せる)。

ミキ:超面白い。過酷……(笑)。毎日脱退者が発表されて、おやすみーって寝れるの?

プー:うん。ずっとそうしてきたからなぁ。

ミキ:たしかにこれだったらもうちょっと遊んだりしたほうがいいよね。その子が普通にご飯を食べて、散歩して、遊んで、というときにどんな表情するか見たくない? ドッヂボール大会とか入れなよ。

――このスケジュールでドッヂボールをしたら、ここも気を抜いてはいけない審査ポイントだと思われますよ(笑)。

プー:デスドッヂボールになっちゃう(笑)。

ミキ:ずっとカメラを入れるわけでしょ? 素でいいよっていう時間を絶対に作ったほうがいいと思う。

プー:私もいろんな立場でオーディションを受けてきたけど、受かってから印象変わる子めっちゃ多かったなと思った。この子ってこんなにおもしろかったんだって気づくのはオーディション中じゃなかったりするんだよね。たしかに素を見せられる時間は大事かも。

ミキ:映像として押さえて使いたい気持ちもわかるんだけど、カメラの回ってないところでどうなのかというのは見ないと。私はオーディションでカメラを入れようという気持ちが一切なくて、それよりもメンバー選びのほうが大事すぎて。スタートを切ってから頑張ればいいじゃん。

プー:私はカメラを無視できるようになってる人間だからかもしれない。まったく気にならないんですよ。いてもいなくても変わらない。新グループは合格後もカメラを入れるから、どこでも変わらない子というのがある意味、審査基準なのかもしない。

――いまどきはオーディションの段階からファンを作るのが主流だったりもするので、ミキティーさんはトレンドの逆というか、そこで消費せずに大事にしているんだなと思います。

ミキ:そもそも練習とか裏側を見せないグループなので。見せるのはステージ上だけって決めてるからだと思う。

プー:ある意味、優しいし寛大だね。次のグループは、いままでのどのグループよりも全部見せようと思ってる。できるかわからないけどね。でも、私も厳しいものを見せたいわけではないから、裏側を見せるにしても遊びは入れたほうがいいかもと思った。ミキティーはいつもいいアドバイスをくれるよね。ここ半年くらいでやっと気づいた。

ミキ:いまさらね(笑)。プーちゃんは話を聞いてくれないのよ。

プー:え!逆の印象だと思ってた!(笑)。ミキティーはいつも適当なことしか言わないって!

ミキ:なに言ってんのよ! 私は昔から真面目だよ。

プー:出会って15年してから初めて真面目なことに気づけたから、これからいろんなことを一緒にやりたいと思ってる。

ミキ:私もずっとそう思ってたから嬉しい。

プー:最近、やっとまわりが見られるようになってきたんだけど、2010年から14年のアイドルってすごい楽しかったじゃん。みんなが目を輝かせていて。いまは大きいサーキットとかに出たときの人の少なさを見ると……本番中には思わないし、来てくれてるみんなのためっていうのは前提ではあるけど、冷静に振り返ったときに自分でもなにをしているのかと思う瞬間がある。もっと夢を見られる場所として入ってきたのに、そうじゃなくなった現状が悲しいと思うようになってきちゃってる。だから、自分にできるのかわからないけど、もっと盛り上げたいんだよね。ちゃんと次のグループと、私はいないけどPIGGSのふたつをまずは大きくして、アイドルってまだ楽しいなって動きを作りたいと思ってるんだ。同じ気持ちを持ってくれる子が来てくれたら嬉しいな。ミキティーも同じ思いを持ってる人だから、新グループの振り付けをお願いしたいんだよね。

ミキ:やるやる。でも、カミヤサキみたいなのはできないよ。

プー:同じ系統をお願いしたいわけじゃないから(笑)。曲を書く人がミキティーの振り付けが好きで、頼みたいって言ってたんだよ。あと私、作詞もしてほしいんだよね。

ミキ:したい! 私、作詞もやりたいんだけどなかなかオファーがこないのよ(笑)。きたとしても、知らないグループにはなかなか書けないし。

プー:Zepp Shinjukuでライブを見て感動したの。いい歌詞だ!って。それまではわかってなったんだけど(笑)。

ミキ:いい歌詞書いてきたんだよ。南波さんからはいつも「重たい」って言われるんだけどね(笑)。

――会うたびに言ってます。

プー:でも、私も意味がある歌を歌いたいから。

ミキ:歌う人には共感してもらいたいし、プーちゃんならお互いわかるから書きたい。それは振り付けより楽しみ。

プー:だから、この対談企画はオーディションのためなのはもちろんだけど、プープーランドの仲間探しの旅でもあるのかも。

ミキ:いいね。プーちゃんに対して人それぞれが持っているイメージがあるかもしれないけど、結局、会って一緒にやってみないとわからない部分ばっかりじゃん。だから、ちょっとでも迷ってたらとりあえず受けてみて、合宿が過酷でいやになったらリタイアすればいいんだから。受かったら覚悟を持ってやらないといけないけど、その前までは逃げたっていいわけじゃん?

プー:うん。受ける人も私たちを審査してくれていい。

ミキ:それくらいの気持ちで、プーちゃんってどんな感じかなってことで受けに来てくれたら嬉しいよね。

プー:まとめてくれた(笑)。ありがとう!

ミキ:メンバーを愛してあげてね。愛があるのはわかるんだけど、それを言葉とか仕草でちゃんと伝えることが大事だよ。

プー:そうなんだよね。恋愛だったら完璧にできるんだけどな〜(笑)。

ミキ:ははははは、できてなさそう(笑)。

プー:今日はありがとうね。11月10日のEX THEATER ROPPONGIのワンマン、みんなと行きます!




[プー・ルイ コメント]

どうも、プー・ルイです!

この度、プープーランドの新グループオーディションを開催することとなりました!

いつかまたあの場所へと歌って早10年。

全然届かなくってくじけそうにもなるけど、、、そんなこと言ってらんない!やったるぞ!

武道館、横浜アリーナへ一緒に行きましょう!!

こんな人がいいなぁっていうのは特になくてフィーリング重視です。

キラキラアイドル全盛のこの時代にプープーランドのオーディションを選んで受けてくれるような“変わり者”はみんな大歓迎!

どんな人でもお待ちしてます🧌❤️‍🔥

かっこつけてない、ありのままのあなたを見せてほしいです!

熱い気持ちと、やる気だけもって応募してください!

プープーランドで一緒にアイドルやろーぜー!!!

たくさんのご応募お待ちしてます。


【応募資格】

・15~29歳までの女性
・経験不問
・特定のレコード会社 / プロダクションと契約のない方

※現在レコード会社、プロダクションに所属している方は9月30日までに事務所等契約解除通知が証明できる方。

※アイドルバー、メイドバー、メイド喫茶等で働いている方は仕事先の許可を取ってからご応募くださいますようお願い致します。

※未成年者の方は保護者の同意が必要です。審査の段階で確認を致しますのであらかじめご了承下さい。

<メール応募締切>
 2025年9月30日23:59

2次審査の面接は、10月に東京都内にて予定しております。


【応募方法】

[メール応募]  pourpourland.audition2025@gmail.com まで

📩 件名に[プープーランド新グループオーディション応募]と記入。

本文に

・名前

・年齢

・身長/体重

・住所

・緊急連絡先(電話番号)

・現在の職業

・過去にアイドル/タレント活動の経験のある方は経歴

・SNSアカウントのURL

・意気込み

を明記の上、

・写真2枚 (全身・顔正面アップ各1枚=3ヶ月以内に撮影したもの、アプリなどで加工していないもの)

を添付してお送りください。


【審査の流れ】

<1次審査> 書類(メール)審査

※合格者には順次こちらから連絡致します。合格者にのみご連絡致します。

<2次審査> 10月東京都内にて対面での面接審査
<3次審査> 東京都内にて実技審査等
<最終審査>

を予定しております。


【合格後】

株式会社プープーランドに所属し、プー・ルイもメンバーとして在籍する新グループのメンバーとして活動をスタート致します。2026年3月頃デビュー予定となります。


【注意事項

・オーディション選考の様子を撮影し、YouTube等で公開させていただく可能性がございます。ご了承ください。

・審査内容について口外及びSNSへの投稿することを禁止とさせて頂きます。

・面接会場までの交通費 / 宿泊費等は各自ご負担ください。


【お問い合わせ先】

pourpourland@gmail.com

※合否に関するお問い合わせには応じられません。